なぜ常に成功要因を考える必要があるのか?

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 「KFS=Key Factor for Success」という言葉があります。

日本語では「成功要因」です。

 

KFSとは、文字どおり事業を成功させるためのカギとなる要因のこと。

KSF(Key Success Factor)といわれることもあり、

CSF(Critical Success Factor)もほぼ同義です。

 

KFSは、経営戦略を立案する上で必ず押さえておく必要があります。

 

例えば、亀田製菓は、なぜ成功したのでしょうか。

 

亀田製菓は、米菓業界内では最後発といっても良い存在です。

 

そのため、社長は先発企業をどのように押しのけ成功するかを考えました。

 

25年前の当時、まだまだ「少品種大量生産」が正攻法でした。

 

大量注文をもらえる大手問屋に食い込み、大量注文を請けること。

 

それが最も好ましい手法であると考えられていました。

 

しかし社長は、大手問屋に依存する少品種大量生産では大手問屋に主導権を取られ、

価格決定権を握られてしまうと考えます。

 

「独自で成長する手法はないものか」

 

社長はそう思案しました。

 

まずは、「どの先発企業も作らない、とにかくユニークな商品を作ること」

 

次に「ユニークな商品を持って、最初から自力で全国販売すること」

 

この発想が、亀田製菓にとって最初のKFSでした。

 

社長は全国を駆け回り、各県に一社ずつだけ地域密着型の確かな問屋を見つけ出します。

 

そこに自社商品を卸すことを試みました。

 

問屋にとっては、その地域で自分しか取り扱えないユニークな商品です。

価格を維持でき、利益率が良い上に競争もありません。

 

そのため、各地域の問屋は、亀田製菓の商品の販売に大きな力を入れてくれました。

 

こうして亀田製菓の売上は急激に伸びていったのです。

 

その結果、たった数年で全国にわたる販売ネットワークを見事に築き上げ、

早々に「少品種大量生産」を実現しました。

 

これにより得られた収益は、大規模な生産設備に投入され、

ますます少品種大量生産の手法で規模を拡大していきました。

 

このように、現在有名な会社が成長できた理由を考えてみてください。

 

もちろん、業界や時代背景が異なる成功事例を、

自社の経営にそのまま活用することはできません。

 

事例を参考にして、今の時代、自社だったらどんな成功要因があるか。

 

それをじっくり考えてみてください。

自社が成功する手順を考える手助けになるでしょう。

 

よく取られる方法は、業界のベストプラクティス分析です。

 

「その市場では、どんな強みを持っている企業が成功しているのか」

「強みをどんな方法で発揮しているのか」

 

を把握することです。

 

大切なのは、自社の業界だけでなく、

関連する業界における成功事例のベストプラクティスからも学ぶことです。

 

自社業界と関連業界のKFSが抽出できると、

現実的かつ効果的な戦略目標を定めることが可能になると思います。

 

KFSをはじめとする自社の経営戦略をどのように立案するのか。

 

経営者であれば、常に考え続けなければならない課題ですね。