なぜ複数の銀行・金融機関と付き合う必要があるのか?

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「メインバンクだから、一つの銀行と付き合うべき」

 

というのは、間違った認識です。

なにも一つの銀行に取引を集中する必要はありません。

 

売上や売掛金の入金用口座は都市銀行に。

引落や給与を取り扱う銀行は、会社の近くにある地方銀行や信用金庫に口座を持ってください。

距離が近いことは大切です。なにかとコミュニケーションの密度が上がります。

 

売上の入金用口座を複数の銀行に分散するのは、良いこととは思えません。

売上の入金はすべて一行に集中し、全額を地方銀行や信用金庫の口座に資金移動して

資金全量を両方の銀行に通します。

すると、両方の銀行にお金全体の流量を証明することができ、

あなたの会社の資金流通量を大きく見せることができます。

それが信用を高めることに繋がるのです。

 

私は、都市銀行の口座を玄関口口座。

地方銀行や信用金庫の口座を勝手口口座と説明しています。

 

勝手口口座のある銀行支店に、社員全員の給与振込用口座を作ることを制度化し、

様々な引落をその口座に設定します。

 

さらに、法人クレジットカードの引落をその口座にし、

携帯電話や固定電話などの通信費、水道光熱費、電気代、公共料金等々を

クレジットカード払いにします。

 

カードによって、大量のマイレージが経営者に付与されます。

そのマイレージを使って、海外出張はビジネスクラスにして仕事をがんばってください。

出張代のコストダウンになります。

 

なお、仕事で付与されたマイレージを個人で利用すると、

所得税が課税されることがありますので気をつけてください。

 

資金調達の面でも、複数の銀行とお付き合いすることでメリットになることがあります。

金融機関は、企業の中でも不思議なところです。

 

一行で5000万円の融資をお願いしても、なかなか通りません。

ですが、一行が2000万円を貸したと言うと、

もう一行が協調して3000万円貸すというケースがあります。

 

普通の企業競争では商売敵が顧客を取ったら怒るのですが、

商売敵が融資をすると自分たちも貸しやすくなるのです。

 

しかし、これは当然のことです。

 

会社一社に対して、一行で受け入れられるリスクの限度額が決まっているからです。

銀行員は、一行付き合いされて

 

「貴行がメインバンクですから、貸してくれないと倒産します」

 

と、しがみつかれると正直なところ困るわけです。

 

メインバンク一行付き合いだと、

日常付き合いのない銀行にお金を貸してくれと飛び込んでも、

焦っている状況で新規融資先にお金を貸す銀行は、

まず存在しないということも理解しなければなりません。

 

ですから、会社にとってメインバンクは2つも3つもあって良いのです。

銀行にとっても、それは結構なことです。

必ず複数の銀行と付き合うことが経営者の務めなのです。