中小企業経営者に寄り添える専門家たちのプラットフォームの必要性

中小企業経営者の皆様にとって、士業・専門家との信頼関係は会社経営の鍵を握る重要な要素です。しかし、税理士や社会保険労務士といった士業が提供するサービスが、必ずしも経営者の真のニーズに応えているわけではないという現状も存在します。そんな中で、私が推進しているASUNA ALLIANCE CONSULTINGの計画は、中小企業経営者の皆様に伴走し寄り添う新たなプラットフォームを構築し、士業の枠にとらわれない柔軟な支援を目指しています。本稿では、そのプラットフォームの背景と目指す姿について紹介します。

士業との距離を感じる中小企業経営者

中小企業経営者の皆様には、税理士や社労士といった士業との関係に悩んでいるケースも少なくありません。現在、ある政令指定都市の行政書士と連携し、会計事務所の支店設立プロジェクトを進めていますが、その行政書士の先生は相続案件を大量にこなしていらっしゃいます。行政書士であり、かつ不動産業務として、相続相談、相続手続き、相続対策としての資産組み換えを大量にご提案されている先生は、こう言います。

 

「正直なところ税理士は、お客様のことを本当に考えているように見えない。相続財産を名寄せして、顧客に希望をよくヒアリングもしないで、法定相続分の共有の形で、分割協議書を書いて平気な顔をして税額計算をしてくる。一次相続なのか、二次相続なのか全く考慮されている形跡がない。国家資格で独占業務として、税理士に申告を頼まざるを得ないが。正直言って、コンサルマインドのない税理士はひどすぎる」

 

こうした現状に対し、ASUNA ALLIANCE CONSULTINGは行政書士と連携しながら、会計事務所の支店設立プロジェクトを進行中です。この取り組みで、顧客本位のサービスを提供するために、「コンサルマインド」を持つ士業事務所を目指し、かつ未来にわたる相続コンサルティング、相続税申告を実現する日本一の組織を目指します。

「脱オンリー士業」を掲げた新たな支援のカタチ

士業の仕事は国が法律で定めた独占業務であり、税理士や社労士にしかできない業務が存在します。しかし、それを前面に出して中小企業の皆様をご支援するのではなく、お客様にとって本当に必要なサポートを提供することが最優先されるべきでしょう。

 

ASUNA ALLIANCE CONSULTINGは「脱オンリー士業」を掲げ、士業の資格に頼らず、経営者の皆様と真に向き合えるプラットフォームを構築します。士業はバックエンドとしての役割に徹し、お客様との直接のやり取りはその専門家が担い、現場での課題解決に取り組むフロントエンドとしての役割を果たすことが重要です。

バイメタル的な支援モデルの提案

中小企業支援において求められるのは、2つの相反する機能を持つ「バイメタル」的なアプローチです。お客様のニーズをしっかりと理解し、寄り添う姿勢を持つ専門家が前面に立つ一方で、法律や税務に関わる部分は士業が責任を持って対応する。このようなハイブリッドな支援体制こそが、真の中小企業支援の形だと言えるでしょう。

 

ASUNA ALLIANCE CONSULTINGでは、この「バイメタル」モデルを軸に、専門家のネットワークを活用しながら、経営者の皆様のための柔軟な支援体制を整えています。税理士や社労士に限定されない、より広範なサポートを提供できるプラットフォーム構築を目指しているのです。

各地域の専門家・士業の存在をも守る事業協同組合の性格

各地の専門家・士業も苦しんでいます。

顧客の減少、顧客の事業規模の縮小による値下げ要請、事務所の収益低減、人手不足、後継者難…。まさに、中小企業だけでなく、中小企業を支えるはずの各地域の専門家・士業が消滅していく。専門家・士業の経営自体も支えなければいけないのです。

 

私たちがモデルとしたのは、北海道の離島から東京の伊豆七島、九州まで、全国1600のパパママストアのスーパーマーケットの組合員を抱える全日食チェーンがそれです。

 

高齢化する専門家・士業。地域の専門家も、これから消失していきます。それを支えるのが、私たちの役割です。地域に根差す社会保険労務士の先生がいれば、その方をキーパーソンとして、その地域の中小企業経営支援のあらゆることを私たち組合がバックアップいたします。

 

地域の先生が病に倒れれば、そのお仕事を背後からお手伝いするのが私たちです。後継者がいなければ、若い専門家・士業を育成しましょう。その方々に仕事を配分して、育成して、後継者として育てていくのです。都会が、優秀な人材を地方から手脱している構図。そういった人材を、地方にお返しするエコシステムが私たちの目指すところです。

 

一般社団法人ASUNA ALLIANCE CONSULTINGは、本来ならば、事業協同組合の組織形態を持つべきものです。しかし、全国をネットワークする事業協同組合は、存在しません。各地につくって、それを連合会形態にせざるを得ないのです。その弊害を取り除くために、あえて一般社団法人で作らせていただきました。将来は、公益社団法人、もしくは公益財団法人に組織替えをしていく所存です。

 

ASUNA ALLIANCE CONSULTINGの目指す未来に、どうぞ皆様ご期待ください。

未来の中小企業支援を見据えて

今後の中小企業支援の未来を考えたとき、士業の枠を超えたアプローチがますます重要になってくるでしょう。経営者は複雑化するビジネス環境の中で、多面的なサポートを必要としています。そのため、税務や法務だけでなく、事業承継や資産管理、さらには経営戦略までを含めた包括的なサポートが求められています。

 

元来、資金繰りの悪い月末になると、「手形だ手形だ」と言って走り回ってる両親を見て育った私には、優雅に人の経営を脇で見て、評論家のような顔をしている人物は好きにはなれません。経営者と同じ土俵に乗っていないからです。

 

ASUNA ALLIANCE CONSULTINGが目指す経営支援プラットフォームは、経営者の皆様の伴走者として、常に寄り添い続ける存在です。これからも、中小企業経営者の真のニーズに応えるための活動を続けていきます。