経営者はリーダーなのか、それともボスなのか
「リーダー」とはどのような存在かを問われたとき、あなたならどう答えるでしょうか? 経営者は、リーダーなのでしょうか、それともボスなのでしょうか。本稿では、イギリスの高級百貨店チェーン・セルフリッジズの創業者であるハリー・ゴードン・セルフリッジの言葉を参考に、リーダーとボスの違いについてお伝えします。
※本稿は、SAKURA United SolutionのYouTubeチャンネル内に開設した、iU学生起業家の茂木大暉氏(GADGETANKER LLC CEO)の経営相談に応える新コーナーより一部抜粋、編集したものです。
※iU(iU情報経営イノベーション専門職大学):2020年に設置され、東京都墨田区文花に本部を置く日本の私立専門職大学。産業界と連携した新しい学び、イノベーションを起こす人材を育成している。井上一生は、iUの客員教授を務めている。
【iU学生起業家の疑問・課題をトコトン解決】深夜ラジオ感覚で“聞く”経営相談室
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リーダーとボスの違い
以下の言葉は、イギリスの高級百貨店チェーン・セルフリッジズの創業者であるハリー・ゴードン・セルフリッジが「リーダーとボスの違い」について説明したものです。
・ボスは部下を追い立てる。
→リーダーは人を導く。
・ボスは権威に頼る。
→リーダーは志、善意に頼る。
・ボスは恐怖を吹き込む。
→リーダーは熱意を吹き込む。
・ボスは私という。
→リーダーはわれわれという。
・ボスは時間どおりに来いという。
→リーダーは時間前にやってくる。
・ボスは失敗の責任を追わせる。
→リーダーは黙って失敗を処理する。
・ボスはやり方を胸に秘める。
→リーダーはやり方を具体的に教える。
・ボスは仕事を苦役に変える。
→リーダーは仕事をゲームに変える。
・ボスはやれという。
→リーダーはやろうという。
これらの言葉を読んで、「自分はリーダーであるつもりだったが、ボスになってしまっているのではないか?」と、時折見つめ直すのも良いでしょう。
経営者はリーダーそのもの
経営者は、リーダーなのか、それともボスなのか。
経営者は、リーダーそのものでしょう。会社の方針を示し、積極的にリスクテイクしていくのがリーダーです。社員やお客様、取引先、みなさんの生活を守ること、みなさんに幸せになってもらうこと。それを実現できるような、優れたリーダーでなければ経営者はいけないと思います。
ただ実際は、その立場に胡坐をかいて、自分だけ良い思いをしているボスタイプの経営者。社員の方々に仕事を回してもらって、リーダーとしての役割を果たしていない人が多いのではないでしょうか。
会社の行く道を決めるのがリーダー
リーダーは、行く道を決める人のことです。そして、今やっていることを否定できる人のことです。
「この事業はやめる」と決断し、それを実行できる人。当然、「なぜやめるんですか」と、社内で反発があるでしょう。
「このビジネスはもう、3年後にはなくなるからやめるんだよ」と説明しても、簡単にはわかってもらえません。10人、9人が反対しても、「自分の判断ではこの方針だから、信じてほしい。この方向でやろうと。大いに議論しようと。議論はするけれども、最終的に判断するのは、経営者である私がする」と言えるかどうか。
経営者は、リーダーそのものです。リーダーでなければ、会社の行く道を決め、みなさんに示すことはできません。