メンターと出会うことの大切さ
資本主義が生まれて二百年余り。
資本主義の歴史は、様々な人が様々なビジネスにチャレンジしてきた歴史とも言えます。
成功者は、歴史にその名を残し記録を語ることができますが、
ほとんどの失敗者は黙して多くを語りません。
歴史に残る記憶・記録とは活字になる話で、ほとんどが成功の話で埋め尽くされています。
しかし成功の経験則とともに大切なのは、
「このやり方では絶対に失敗するぞ」という失敗の経験則なのです。
生存対策が創業企業の全てを優先します。
生き残るためには、失敗の経験から学ぶことが極めて多いのです。
経営者になったあなたは、今までに経験したことのない出来事に見舞われるでしょう。
今回のコロナ禍でそれを感じている人も多いのではないでしょうか?
未来は時に残酷で、経営者を数年おきに苦しめます。
経営とは戦いそのものです。
机上の空論をいう人や、給料をもらうだけで権利主張するだけの人には絶対にわからない。
とんでもないことが様々起こります。
信じられないようなこと。
側近の裏切り。
悪意で落とし穴を作られることもあるでしょう。
中には「そんな法律があるのか」ということも起こります。
テレビで見る、記者会見で謝罪する経営者たち。
彼らはなにも、謝罪することを望んで経営者になったわけではないのです。
想像もできないようなトラブルが起こったとき、
解決策のヒントを教えてくれる失敗の経験則が必要になります。
勝ち残った経営者の先達たちは、危機に立ち向かい、試行錯誤の中でブレークスルーして生き残れた人たちです。
そのような人たちは、成功の経験則とともに、その数倍にも及ぶ失敗の経験則をお持ちでしょう。
成功者は、成功の経験則だけでなく、失敗の経験則も語ることができるわけです。
独立して成功するために、知識やノウハウを手に入れる一番の方法は、
先達の師匠に弟子入りし修行することです。
修行を重ねた人は、師匠の模範により失敗という落とし穴に落ちることが極端に少なくなります。
暖簾分けの仕組みを用いて、師匠の品質や信用というブランドを手に入れることもできます。
先達たちは、暖簾を守ることでビジネスモデルの継承を図ったのかもしれません。
いずれにしても、師匠の下で修業を重ねることで、着実に成功の階段を登っていけるのです。
では、師匠や修行の場に巡り合っていない経営者は、
成功の経験則をどのようにして手に入れれば良いのでしょうか。
それは、自らの努力によって学ぶしかありません。
経営者団体に入って、様々な学び・出会いを得ることも一つの方法です。
個人的にはオススメしませんが、MBAに行って学ぶこともあるかもしれません。
MBAのブログラム自体よりも、一緒に学ぶ人たちとの出会いの方に価値があるかもしれません。
MBAを取ったら成功できると考える人がいるようですが、それは錯覚です。
経営者団体の場にも、MBAの場にも、あなたが成長する上で必要な経験をお持ちの先達がいます。
大きな成功を収めた経営者には、必ず師匠(メンター)がいます。
どんなに優秀な人でも、IQが高いだけでは成功できません。
活字の情報ばかり持っていても成功することはできません。
経営の現場は、常に変化し続ける生き物です。
変化に対応し成功し続けるためには、師匠が必要なのです。
師匠とは個人であったり、ときには組織であったりします。
師匠は、ビジネスとしてお金を受け取って教える人もいますし、
ご自身の過去の苦労から「同じ落とし穴に落ちてほしくない」と、
ボランティアで教えてくれる方々もいます。
強力な師匠がいてくれることで、成功の可能性は格段に高まるのです。
ただし、決算書を読める師匠に限定してください。
決算書すら読めずに、精神論ばかりを語る方、自身の成功体験や知識をひけらかす方、
失敗体験を美談として語る方は、師匠とするにはオススメしません。
あなたの会社の倒産を早める危険すらあります。