残された大学生生活をどう過ごすか?夏の集中講義ワークショップ

私は、流通経済大学の集中講義(4日間)を担当しています。本稿では、その講義内容と目的についてご紹介します。この講義は、学生が自分自身を深く知り、将来のキャリアや起業に向けて準備することを目的としています。興味のある方は、ぜひご覧ください。

 

(流通経済大学 龍ケ崎キャンパス 弊グループ代表・井上一生のFB投稿より)

内観ワークショップで自分自身を深掘りする

私は経営者という立場から、将来どんな仕事に就きたいか? どんな形で恩人や社会にお返ししていきたいかを考えて各自の仕事観・人生観を振り返る作業を通じて、若い人たちの教育や人生に少しでも役に立てればと思い、流通経済大学の客員講師を担当しています。本稿では、その講義内容と目的についてご紹介したいと思います。

 

集中講義は、4日間にわたって午前中から夕方まで行います。講義の目的は、自分自身を深く知り、将来のキャリアや起業に向けて準備することです。

 

まず、人生の振り返りをするために、「内観ワークショップ」を行います。このワークショップでは、小学生以前、小学生低学年、小学生高学年、中学生、高校生時代、大学に入ってからという6つの時期に分けて、自分の人生を書き出していきます。何に感動し、何に傷ついたか、だれにしてもらったことか等々、書き出した内容は、話せる部分を発表し、他の参加者と共有します。ワークショップを通して、自分がどんな経験をしてきたか、どんな価値観や思いがあるか、その心の底にある“思い”を明確にします。

 

次に、人生の振り返りから、

 

「どんな自分になりたいか?」

「だれに役立ちたいか?」

「だれに思返ししたいか?」

 

という3つの問いに答えていきます。これらの問いは、自分の人生の目的や方向性を言語化するために重要なものです。言語化することで、自分が何を目指しているかを明確にし、行動や選択の基準にすることができます。

 

(学生たちが登校する前の大学の教室 弊グループ代表・井上一生のFB投稿より)

エニアグラムワークショップで客観的に分析する

さらに、「エニアグラムワークショップ」では、古代からの経験法則から自分自身を知ることを試みます。エニアグラムとは、人間の性格や動機づけを9つのタイプに分類するものです。このワークショップでは、一つの分析の手法として、自分がどのタイプに当てはまるかを診断し、そのタイプの特徴や強み・弱み・成長点などを学びます。また、「自分とはどんな人か?」「だれとパートナーとして組めるか?」「どんな人と組むとトラブルになりやすいか?」など注意すべき類型も知ることができます。

 

(出典:エニアグラム性格診断【無料/90問式】あなたは9タイプのどれ? | ホイミー (hoyme.jp)

 

集中講義では、将来起業するために、どんなことを知っておくべきかも考えます。私が書いた「会社を辞めて起業する前に読む本」をテキストにして、起業前に知っておくべきことや準備について学びます。この本では、起業家が持つべきマインドセットやスキル、起業家が直面する課題やリスクなどが具体的に紹介されています。

学生への課題

この集中講義の成果物として、学生は以下のレポートを提出します。

 

夏の集中講義のレポートは、「(今回の講義から)社会人としてどんな自分になりたいか?そのために大学生の残された時間に何を準備するべきか?」というテーマで400~800文字ほどの短文で書きます。このレポートでは、自分が学んだことや気づいたことをまとめ、具体的な言葉にしていきます。大学の学生生活は短い期間です。しかし、自由で自らの人生を決める大切な最期のチャンスです。この貴重な時間の有り難さを知り、残された時間でやるべきことをしっかりと確認します。

 

後期の講義では、起業にあたって、どんな準備をしなければいけないのか。経営者及びマネジメントをする人たちの経営課題や日常業務についてをテーマとする予定です。この講義にも参加することで、起業に関する知識やスキルをさらに深めることができるでしょう。

 

この講義は、大学生が自分自身を知り、将来のキャリアや起業に向けて準備することを目的としています。自分自身を知ることは、自分が何をしたいか、何ができるか、何が必要かを明確にすることです。これは、社会人になっても、起業家になっても、必要な能力でしょう。また、起業に関する知識やスキルを学ぶことは、自分のアイデアやビジョンを実現するために必要なことです。これらのことを学ぶことで、学生のみなさんは残された大学生生活を有意義に過ごすことができると願っています。