地域企業と地域金融機関は、日本経済の命脈です。しかし借入や後継者問題、低金利や人材不足など、両者は多くの課題に直面しています。そんな中、私たちは会計事務所発祥コンサルティングファームとして、地域企業と地域金融機関、両者の支援に真摯に取り組んでまいりたいと考えています。本稿では、僭越ながら両者の課題についてまとめてみました。

地域企業の再生のために必要なことは何か？

全国各地にある地域企業は、日本経済の柱と言える存在です。地域の特色や伝統を守り、地域の雇用創出や経済に貢献しています。しかし地域企業は今、厳しい環境に直面しています。

 

一つは、借金です。地域企業は、景気の低迷やコロナ禍などの影響で、売上や利益が減少しています。ゼロゼロ融資等のコロナ融資をきっかけに膨らんだ借金を返済するために、借り換えや借り入れを繰り返していますが、根本的な改善にはなっていません。

 

もう一つは、後継者問題です。高齢化や都市部への人材流出などの影響で、後継者の確保や育成が困難になっています。地域企業は、後継者不在の問題を解決するために、M&Aや事業譲渡などの選択肢を検討していますが、まだまだ十分とは言えないでしょう。

 

このように地域企業は、借金と後継者問題のジレンマに陥っています。このジレンマを打破するには、地域企業そのものとそれぞれの地域企業を支える企業等が、地域の競争力を高めることが必要です。事業再生、M&A、事業譲渡、担保不動産の売却、親族や社員への事業承継、場合によっては廃業支援など、打つ手は無限にあります。

 

借金問題で家族不和、親族不和になってしまう前に、1つの策として、しっかりと断捨離、身綺麗にして、地域の勝ち組の企業に身を寄せること。勝ち組企業に、これまでの経営資源を活かしてもらうことも必要でしょう。もちろんこれは、無限にある打ち手の1つです。経営者の方やそのご家族のご意向をお聞きし、どんな未来を描くのか、一緒に考える機会をいただけたらと思います。

地域金融機関のジレンマとは何か？

地域金融機関は、血液としての資金を回す、地域経済の心臓とも言える存在です。地域の中小企業や個人に資金を供給し、地域の活性化や雇用創出に貢献しています。しかし地域金融機関も今、厳しい環境であるとお聞きしています。

 

一つは、低金利です。日銀は、長期的にマイナス金利政策を続けており、地域金融機関の収益源である金利差が縮小しています。低金利に対応するために、融資以外の収入の増加やコスト削減などの努力をされていますが、楽観的なお話は聞こえてきません。

 

もう一つは、人手不足です。労働人口の減少や働き方改革などの影響で、優秀な人材の確保や育成が困難になっていると言います。人手不足に対応するために、DX推進や業務改善などの取り組みをされていますが、。人材についても楽観的なお話は聞こえてきません。

 

地域金融機関も地域企業と同様に、さまざまな課題を抱えています。課題のない会社も地域もありません。それは、私たちのような経営支援をする立場の会社・個人も同様です。現状を打破するには、弊グループ特別顧問の新田信行さんが仰る「共助」の輪を広げ、地域企業の再生や経営の抜本的な改善、継続/成長支援に積極的に取り組むことが重要であると思います。

 

東京や大阪に集中する優秀なコンサルタントや士業人財を地方や地域に役立てる。お返しする。そのようなネットワーク型のコンサルティングファームを、私たちは目指してまいります。

 

新田氏に登壇していただいたセミナーレポートがありますので、以下のリンクからぜひ一度お読みください。

 

新田信行氏 特別顧問就任記念セミナー「アフターコロナへの提言～ポストゼロゼロ融資について語る～」レポート 後編 - さくらユナイテッドソリューション; (sakura-united.com)

会計事務所系コンサルティングファームにできることは何か？

深刻な経営課題を抱えている地域企業は数多くあるわけですが、地元の名士は、地元の会計事務所や弁護士、ましてや地域金融機関にはなかなか本音で相談できないものです。

 

そこで、私たちのような都心を軸とする会計事務所系コンサルティングファームには、「地域企業の経営者の方と、地域金融機関。両者の本音をお聞きし、両者の支援をする橋渡し役」という役割があるのではないかと考えました。

 

地域企業の皆様に対しては、経営計画や財務改善などのコンサルティングを行い、経営力向上や抜本的改善の支援をすることができます。また、事業再生やM&Aなどの実務を支援し、地域企業の事業承継や廃業などの選択肢を広げることができます。

 

地域金融機関の皆様に対しては、地域企業様の経営課題のヒアリングを行い、融資先のご紹介や本業支援、事業再生やM&Aなどの案件のご紹介が可能です。また、地域企業の経営状況やリスクを分析し、金融機関の貸出判断や債権管理を支援することもできます。

 

地元に縁もゆかりもない、東京の会計事務所系コンサルティングファームだからこそ、地元の皆様も安心して相談できる支援があると考えています。私たちが派遣する老練な銀行OB、経営コンサルタント、中小企業診断士、公認会計士、税理士、社会保険労務士といった面々が、徹底的に傾聴して傾聴して、なんらかの打開策をご提案したい。少し整理がついて方向性が明確になったところで、相談者の皆様の了解のもと、地元のコンサルタントや中小企業診断士、弁護士、会計事務所の方々に協力を求める。そんな流れを構築し、最適なチームで課題解決まで伴走したいと思います。

 

打つ手は、無限にある。

 

どんな状況下でもそう信じて、私たちは伴走し続けます。

 

新田さんは、「ちいきん会（肩書きのない発想で、社会に新たな価値創造を目的とする課題解決コミュニティ）」のイベントで全国の地域起こし、金融機関、金融行政の支援のために全国を飛び回っていらっしゃいます。私も、積極的に参加させていただきます。

 

私たちは、地域企業の支援と地域金融機関の支援の両輪ができる会計事務所発祥コンサルティングファームを目指し、新田さんと一緒に全国を行脚し、地域の課題と解決策について学び、ご提案していきたいと思っています。