「経営計画書」をChatGPTでスピード作成してみると…

 

ChatGPTが話題になって以降、大手企業でも中堅・中小企業でも、あるいは個人でも生成AIの活用方法が模索されています。情報管理やコンプライアンスの視点から、生成AIの活用が制限されるケースはあるものの、スマートフォンの登場と同様に不可逆なものとなっていくでしょう。本稿では、経営に欠かせない「経営計画書」を、ChatGPT等の生成AIにプロンプトを入力することでスピーディーに作成する方法をご紹介します。

経営計画書の作成のプロンプト

下記が、実際にChatGPTに入力した経営計画書作成のプロンプトです。

 

*以下の( )内を自由に書き換えてください

 

 

[成果物]:(経営の多角化を教える教育事業)

[入力]:新規事業の経営計画書を作成してください。

[制約条件]:

経営理念、ミッション、ビジョン、行動指針、経営戦略、売上計画、投資計画、経営数値目標、方針・施策詳細、実施スケジュールを含む。

 

メリット:経営計画の実現可能性が高まる、金融機関から借入れしやすくなる、増資がしやすくなる。

 

注意点:環境変化に適応する柔軟性が必要、外部に公表されることは少ない、長期的な視点で策定することが重要。

 

[出力]:

上記の制約条件に基づいて、新規事業の経営計画書を作成してください。

 

経営理念、ミッション、ビジョン、行動指針、経営戦略、売上計画、投資計画、経営数値目標、方針・施策詳細、実施スケジュールを明確に記載してください。

 

経営計画書の作成によって、メリットである経営計画の実現可能性が高まり、金融機関から借入れしやすくなり、増資がしやすくなることを意識してください。

 

注意点である環境変化に適応する柔軟性が必要、外部に公表されることは少ない、長期的な視点で策定することが重要であることを念頭に置いて作成してください。

 

[具体的な命令書]:

経営理念、ミッション、ビジョン、行動指針、経営戦略、売上計画、投資計画、経営数値目標、方針・施策詳細、実施スケジュールの各項目について、明確に定義しましょう。

 

経営戦略については、競合環境や市場動向、自社の強みや弱み、リスクやチャンスを分析し、明確な方向性を設定しましょう。

 

売上計画については、市場規模や市場シェア、顧客ニーズや競合他社の戦略を分析し、収益の見込みや費用構造、販売チャネルの設計、プロモーション戦略、価格設定などを検討し、具体的なアクションプランを策定しましょう。

 

投資計画については、資金調達の必要性やタイミング、必要な資本金や財務計画、資金調達の方法や条件などを検討し、具体的な計画を策定しましょう。

 

経営数値目標については、売上高、営業利益、経常利益、純利益、資産総額、株主資本利益率、キャッシュフローなどの数値目標を設定し、それに向けた具体的なアクションプランを策定しましょう。

 

方針・施策詳細については、上記の各項目で策定した計画に基づく具体的な施策や方針を定義し、実行可能なものに修正しましょう。

 

実施スケジュールについては、上記の各項目に基づく具体的なアクションプランをタイムフレームや担当者、予算などと共に設定し、実現可能な計画を策定しましょう。

 

以上の指示に従って、経営計画書を作成し、目的に合わせた最適な成果物をアウトプットしてください。

 

ChatGPTから出力された経営計画書

下記は、上記のプロンプトから出力された経営計画書です。

 

### 新規事業「経営の多角化を教える教育事業」経営計画書

 

#### 1. 経営理念 (Philosophy)

私たちは、多角的な経営知識と実践スキルを提供することにより、次世代の経営者やリーダーが持続的に成長し、社会に貢献できる企業を創造することを目指します。

 

#### 2. ミッション (Mission)

経営者が多角的な視点で経営戦略を構築できるよう支援し、多様なビジネスモデルを理解し、実践に結びつけるための教育プログラムを提供します。

 

#### 3. ビジョン (Vision)

未来を見据えた多角経営のリーダーシップを育成し、持続可能な経済成長を促進する教育機関として、日本を代表する存在となることを目指します。

 

#### 4. 行動指針 (Guiding Principles)

- **革新**: 常に最先端の経営知識を取り入れ、教育プログラムを更新する。

- **実践主義**: 理論と実践を融合させた教育を提供し、即戦力となるスキルを育成する。

- **持続可能性**: 長期的な視点での経営スキルを重視し、持続可能な成長を目指す。

 

#### 5. 経営戦略 (Business Strategy)

 

**市場分析**:

- **競合環境**: 経営教育市場は拡大傾向にあり、特にオンライン学習プラットフォームが急成長しています。当事業は、独自の多角化戦略に特化した教育内容で差別化を図ります。

- **市場動向**: COVID-19後の新しい働き方に対応するため、リモート学習の需要が増加しています。この流れに乗り、オンラインと対面教育のハイブリッドモデルを構築します。

 

**自社の強みと弱み**:

- **強み**: 専門家による実践的なカリキュラムと豊富な経営リソース。

- **弱み**: 新規事業であるため、認知度が低い。

 

**リスクとチャンス**:

- **リスク**: 競合の激化や技術の進化による環境変化。

- **チャンス**: 多角経営のニーズの高まりと、持続可能性に対する社会的関心の増加。

 

**戦略目標**:

  1. **プログラムの多様化**: 初年度に5つの主要コースを開設し、次年度には10コースに拡充。
  2. **オンライン教育の強化**: 全てのコースをオンラインで提供し、受講者の地域を問わずアクセス可能にする。
  3. **企業連携の拡大**: 大手企業との提携を進め、企業研修プログラムとして提供。

 

#### 6. 売上計画 (Revenue Plan)

- **初年度売上目標**: 1億円

- **成長計画**:

  - 初年度:マーケティングと認知度向上に注力。

  - 2年度:既存顧客のリテンション率向上と、新規市場への進出。

  - 3年度:収益の安定化と利益率の改善。

 

**売上構造**:

- **オンラインコース売上**: 60%

- **企業研修プログラム**: 30%

- **出版・コンテンツ販売**: 10%

 

**価格設定**:

- 基本コース:¥150,000 / 3ヶ月

- 企業向けカスタマイズ研修:¥500,000〜 / 1プログラム

 

#### 7. 投資計画 (Investment Plan)

- **初期投資**: 3000万円(オンラインプラットフォーム構築、教材開発、マーケティング)

- **資金調達計画**:

  - **第1次資金調達**: 2000万円(エンジェル投資家及びクラウドファンディング)

  - **第2次資金調達**: 1000万円(銀行借入及び自己資本)

 

- **投資回収計画**: 初年度の売上を元に、2年目末までに投資回収を目指す。

 

#### 8. 経営数値目標 (Financial Targets)

- **初年度売上高**: 1億円

- **営業利益率**: 15%

- **経常利益**: 1500万円

- **キャッシュフロー**: プラスに転じるタイミングは2年目の第3四半期を想定。

 

#### 9. 方針・施策詳細 (Policies and Measures)

- **教育プログラムの開発**: 多角経営に特化したカリキュラムを設計。

- **マーケティング戦略**: デジタルマーケティングを中心に、ターゲット市場にアプローチ。

- **企業連携**: 企業とのコラボレーションを強化し、社内教育やコンサルティングの機会を創出。

 

#### 10. 実施スケジュール (Implementation Schedule)

 

| 項目                  | 期間                  | 担当者           | 予算         

| **プラットフォーム構築**  | 2024年10月〜2025年1月  | IT部門         | ¥1000万円  |

| **教材開発**            | 2024年11月〜2025年3月  | 教育部門         | ¥800万円   |

| **マーケティング**        | 2024年12月〜2025年4月  | マーケティング部 | ¥600万円   |

| **コース開講**          | 2025年4月〜2025年6月  | 教育部門         | ¥200万円   |

| **企業提携強化**        | 2025年5月〜2025年9月  | 営業部門         | ¥400万円   |

 

 

以上の経営計画書により、事業の実現可能性を高め、金融機関からの借入れや増資の成功率を向上させます。また、環境変化への柔軟な対応を意識し、長期的な視点での経営戦略を策定しています。

 

壁打ちやたたき台として活用するのが現実的か

事業内容を自社のものに変更するなど、多少加工していただければ、上記のプロンプトをほとんどそのまま活用していただくことが可能です。

 

完璧な内容とまでは言えないまでも、思いついたアイデアの壁打ちや、経営計画書のたたき台として使用する分には十分なクオリティではないでしょうか。

 

現代は、VUCA時代とも呼ばれるほど不確実性の高い経営環境です。そのため、コンサルティングファームに依頼して数ヶ月かけて経営計画や事業計画を作成するようなスピード感では、変化に適応することもできませんし、チャンスを掴むこともできないのです。スピードがますます重要になっていくでしょう。ぜひ生成AIを日々の経営に活用してみてください。